制度の概要
その場で答えられないと困る数字だけ。網羅はしません。
このページは、わざと短くしてあります。
制度の全文・様式・最新の改正は、厚生労働省のサイトに全部あります。そちらに勝てるものを作るつもりはありません。
ここに置くのは、社員から急に聞かれて、その場で答えられないと困る数字だけです。
法定の制度(最低限、これだけ)
| 制度 | 中身 |
|---|---|
| 介護休業 法定 |
対象家族1人につき 通算93日 まで。3回まで分けて取れます。 雇用保険から 介護休業給付金(休業前賃金の67%)。 |
| 介護休暇 法定 |
対象家族1人なら 年5日、2人以上なら 年10日。 時間単位で取れます。通院の付き添いなど、細切れの用事はこちらです。 |
| 会社の上乗せ |
自社の就業規則・介護休業規程で、法定に上乗せしている分を確認してください。 両立ナビに入力すると、上乗せ後の日数で見通しが出ます。 |
介護休業の「93日」で、一番多い事故
数字だけを社員に伝えると、ほぼ確実に事故が起きます。93日という数字より、この一文の方が大事です。
介護休業は、「自分で介護をするための休み」ではありません。
介護の体制をつくるための休みです。
ここを伝えずに「93日休めるよ」とだけ言うと、社員は93日を介護そのものに使い切ってしまうことがあります。 自分で親を見て、自分で病院に付き添って、自分で全部やる。 93日が終わったとき、休みは残っていないのに、体制はできていません。
93日は、地域包括支援センターに行き、要介護認定を申請し、ケアマネジャーを決め、サービスを組み、家族で分担を決めるための時間です。 それが終われば、多くの場合、通常勤務に戻れます。
サービスを組む
使い方を、最初に伝えてください。
2025年4月からの、会社の義務
2025年4月から、介護に関する会社の義務が増えました。5つあります。 よく言われる「4つから1つ選べばいい」は、そのうちの1つの話です。
| やること | 選べるか |
|---|---|
| ① 雇用環境の整備 | 4つから1つ以上を選ぶ |
| ② 介護に直面した社員への、個別の周知・意向確認 | 選べません(必ず行う) |
| ③ 介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供 | 選べません(必ず行う) |
| ④ 介護休暇の要件緩和 (「勤続6か月未満」で除外する仕組みが廃止) |
就業規則の修正が要ります |
| ⑤ 介護のためのテレワーク等の導入 | 努力義務 |
①で選べる4つ
| 選択肢 | 補足 |
|---|---|
| 研修 | 管理職向け・全社員向けなど |
| 相談窓口の設置 | 設置するだけでは、まず誰も来ません(なぜ来ないのかを解説した記事) |
| 事例の収集・提供 | 自社で起きたケースを匿名で記録し、社内に共有する |
| 方針の周知 | 会社として両立を支援する方針を周知する |
②と③は、このサイトの介護離職防止の流れそのものです。 ②は「親が倒れました」と言われた日にやること、③は相談が来る前にやっておくことです。 法律が求めていることと、実務でやるべきことが、ここでは一致しています。
研修は、①の中の選択肢の1つです。①は4つから1つ以上でよいので、研修をやらなくても①は満たせます。
ただし、②の個別周知・意向確認と③の情報提供は選択ではありません。
「1つやれば終わり」ではないという点だけ、押さえておいてください。
詳しくは、こちらへ
制度の全文・様式・最新の改正は、必ず一次情報を確認してください。 このページの数字も、最新かどうかは顧問社会保険労務士・お近くの労働局にご確認ください。
制度が分かっても、「その社員」の答えは出ません
93日と67%が分かっても、「父が来月退院する、母は同居だが腰が悪い、兄は遠方」という社員に何を渡せばいいかは出てきません。
聞いた話を入れると、その社員の見通しが1枚にまとまります。