20年、現場で見てきたこと
介護の現場に20年います。デイサービスの管理者として、たくさんのご家族と接してきました。
送迎のとき、ご家族からよく言われることがあります。 「本当に助かります」「元気になって帰ってくるから、うれしい」と。
介護の手間が減る理由は、2つあります
1つは、ご本人が元気になることです。
来はじめた頃はほとんど動けなかった方が、通ううちに動けるようになる。そういうことが、実際にあります。
そうなると、ご家族の介助そのものが軽くなります。
もう1つは、時間です。
デイサービスに行っている間、ご家族は介護をしていません。その時間が、まるごと空きます。
この2つが重なると、家の中の様子が変わります。 介護をしながら働き続けられるかどうかは、ここで大きく分かれます。
ただ、そこにたどり着くまでに、時間がかかります
「もっと早く来ていれば」と思うことが、何度もありました。理由はさまざまです。
- ご本人が嫌がる。「まだそんな歳じゃない」「他人の世話にはならない」
- ご家族が、介護保険の申請の仕方を知らない
- ケアマネジャーという人がいることを知らない。どこで探すのかも分からない
- 仕事が忙しくて、平日の手続きに行けない
そして多くの場合、このうちのどれか1つではなく、全部が同時に起きています。
その間も、ご家族は一人で介護を続けています。有給が減っていきます。眠れない日が続きます。
介護を理由に仕事を辞めた人は、直近の調査で年間10.6万人。
さらに2030年には、働きながら介護をする人が約318万人になると見込まれています。
働いている人の20人に1人という規模です。
出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」/経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」(2024年3月)
この時間を縮められるのは、会社の側です
社員の方に「早めに相談してください」とお伝えしても、なかなか届きません。言えないから、一人で抱えているのです。
ただ、人事の方に落ち度があるという話ではまったくありません。 介護保険の仕組みも、ケアマネジャーの探し方も、普通は人事の仕事ではありません。ご存じないのが当たり前です。
私も、制度の専門家ではありません。就業規則も助成金の申請も、社会保険労務士の先生の領域です。 私が持っているのは、「その社員の方の親御さんが、これから何か月で、どこへ、どうつながっていくのか」が見えることだけです。 20年、その現場にいたので。
このサイトの情報とアプリだけで足りるなら、それが一番いいと思っています。
私に相談する必要は、ありません。足りないときだけ、声をかけてください。